製造業の通販サイトは売上を追うな。法人受注につながるサンプル販売戦略とは?【第1回】

※この記事は「製造業ECサイト活用シリーズ」の第1回です。

全体像を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

▶【総合記事:なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?ECサイトを「24時間働く営業マン」に変える方法

▶【第1回:製造業の通販サイトは売上を追うな。法人受注につながるサンプル販売戦略とは?】→ 今ここ

▶【第2回:製造業のサンプル販売で必須!本発注につなげる同梱チラシ実例と作り方

▶【第3回:サンプル発送後に何もしないのはもったいない!本発注率を高めるフォロー施策とは?

▶【第4回:小規模製造業が営業マン不足を解決する「営業DX」とは?通販サイトを営業資産に変える方法

製造業の通販サイトが売れないのは珍しいことではない

「ECサイトを作ったのに売上が伸びない」

「通販サイトを立ち上げたが問い合わせが来ない」

「毎月の売上が数万円程度で止まっている」

このような悩みを抱える製造業は少なくありません。

特にコロナ禍をきっかけに通販サイトやECサイトを立ち上げた企業では、

  • 売上が伸びない
  • 運営工数ばかり増える
  • 現場から不満が出る
  • 広告費だけが増える

    という状況に陥るケースが増えています。

    しかし結論から言うと、これは商品の問題ではありません。

    多くの場合、通販サイトの役割設定そのものが間違っているのです。

    なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?

    まず理解しておきたいのは、製造業と一般的なEC事業者では戦う市場が違うということです。

    大手企業との価格競争になる

    一般消費者向けの通販市場では、多くの人が価格を比較して購入します。

    Amazonや楽天市場で検索すれば、似た商品が大量に表示されます。

    その中で比較されるのは、

    • 価格
    • レビュー数
    • 配送スピード
    • ブランド力

    です。

    小規模製造業が得意とする

    • 技術力
    • 品質
    • 柔軟対応
    • 提案力

    は伝わりにくくなります。

    結果として、大手企業や海外製品との価格競争に巻き込まれてしまいます。

    レビューが集まらず売れない

    ECサイトではレビュー数が信頼の指標になります。

    しかし新しく立ち上げた通販サイトは、

    • 実績がない
    • レビューがない
    • 認知度がない

    状態から始まります。

    すると「売れない → レビューが増えない → さらに売れない」という悪循環に陥ります。

    広告費が利益を圧迫する

    売上を増やそうとすると、

    • Google広告
    • SNS広告
    • ECモール広告

      などへの投資が必要になります。

      しかし広告は継続しなければ効果が続きません。

      その結果「売上は増えたのに利益が残らない」という状態になることも珍しくありません。

      実は企業担当者の検索行動はまったく違う

      ここで重要なのが視点の転換です。

      企業の購買担当者や開発担当者は、一般消費者とは違う目的で検索しています。

      例えば、

      • 品質を確認したい
      • 加工精度を確認したい
      • 材質を確認したい
      • 色味や質感を確認したい
      • 試作品として評価したい

      といった理由です。

      つまり彼らは「一番安い商品」を探しているのではありません。

      企業担当者が確認したいのは信頼性

      企業にとって発注先の選定は重要な業務です。

      担当者が確認しているのは、

      • 本当に品質は大丈夫か
      • 継続取引できる会社か
      • 対応は丁寧か
      • 技術力はあるか

      という部分です。

      そのため実物確認のニーズは想像以上に大きいのです。

      製造業ECサイトはサンプル販売に特化する

      そこでおすすめしたいのが、サンプル販売型ECサイトという考え方です。

      通販サイトを利益獲得の場ではなく、法人顧客との最初の接点を作る場として活用します。

      サンプル販売とは?

      サンプル販売とは、主力商品や定番商品を

      • 材料費
      • 梱包費
      • 送料

      程度の価格で提供する方法です。

      目的は利益ではありません。

      法人受注につながる見込み客を集めることです。

      サンプル販売から法人受注につながる流れ

      実際の流れは非常にシンプルです。

      STEP1:企業担当者がサンプルを購入する

      まずは通販サイトからサンプルを購入してもらいます。

      STEP2:実物を確認してもらう

      写真や動画では伝わらない

      • 質感
      • 精度
      • 重量感
      • 加工品質

        を確認してもらいます。

        STEP3:問い合わせが発生する

        サンプルを評価した担当者から、

        • 見積依頼
        • ロット相談
        • 納期相談
        • 技術相談

          などの問い合わせが発生します。

          STEP4:商談・本発注へ進む

          その後、

          • 商談
          • 見積提出
          • 試作
          • 本発注

          へとつながっていきます。

          通販サイトは単なる販売サイトではなく、営業活動の入口になります。

          サンプル販売が営業効率を高める理由

          従来の営業活動では、

          • 飛び込み営業
          • テレアポ
          • 展示会出展

            などが必要でした。

            しかしサンプル販売では、顧客の方から接触してきます。

            しかも、

            • 商品に興味がある
            • 品質確認したい
            • 導入を検討している

              という状態です。

              つまり、すでにニーズを持った見込み客だけが集まる仕組みになります。

              サンプル販売は現場との対立も防ぎやすい

              製造業の通販サイトでよくある問題が、現場との対立です。

              しかしサンプル販売型にすることで、

              • 商品数を絞れる
              • 在庫を持ちすぎない
              • 梱包作業を減らせる
              • 生産計画を立てやすい

              というメリットがあります。

              その結果、通販サイトが現場の負担ではなく、営業支援ツールとして機能するようになります。

              通販サイトのKPIは売上ではなく商談数

              サンプル販売型ECサイトでは、評価指標も変わります。

              見るべき数字は、EC売上ではなく

              • サンプル販売件数
              • 法人問い合わせ件数
              • 見積依頼件数
              • 商談数
              • 本発注率
              • 受注金額

              です。

              ここを間違えると、せっかくの仕組みも正しく評価できません。

              まとめ|製造業の通販サイトは営業インフラへ転換できる

              製造業の通販サイトが売れない最大の理由は、

              商品ではなく役割設定にあります。

              一般消費者向け販売で利益を追うのではなく、

              • サンプル販売
              • 法人顧客との接点づくり
              • 商談創出
              • 営業インフラ化

              へと発想を転換することで、通販サイトの価値は大きく変わります。

              通販サイトは単なる販売チャネルではありません。

              使い方次第で、24時間365日働く営業マンになります。

              実際に方針転換した製造業の事例はこちら

              「通販サイトの売上が伸びず悩んでいた企業が、どのような経緯で方針転換したのか」

              お話を聞かせていただいた経営者ストーリーは、こちらからご覧いただけます。

              ▶【事例記事】飛行機一筋20年。突然インターネット通販を任された男の転機【前編】

              ▶【事例記事】飛行機一筋20年。突然インターネット通販を任された男の転機【後編】

              次回予告|本発注率を大きく左右する「同梱物設計」

              サンプル販売で最も重要なのは、商品を送った後です。

              次回は、

              • 本発注につながる同梱チラシ
              • 問い合わせ率を高めるフォロー用紙
              • 商談化率を上げる資料設計

              について詳しく解説します。

              ▶【第2回:製造業の通販サイトで本発注率を高める同梱物設計とは?

              ▶【総合記事:なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?ECサイトを「24時間働く営業マン」に変える方法

              ▶【第3回:サンプル発送後に何もしないのはもったいない!本発注率を高めるフォロー施策とは?

              ▶【第4回:小規模製造業が営業マン不足を解決する「営業DX」とは?通販サイトを営業資産に変える方法

              あなたの会社の通販サイト活用方法をお聞かせください

              あなたの会社では、通販サイトやECサイトをどのように活用していますか?

              • サンプルを送ったままになっている
              • 商談化率を高めたい
              • 営業活動を仕組み化したい
              • 人手不足を改善したい

              など、ぜひ投稿フォームからお聞かせください。

              実際の経験や課題が、同じ悩みを持つ製造業の皆さまの参考になるかもしれません。

              経営者のターニングログとは

              『経営者のターニングログ』は、小規模製造業の経営者様がこれまでに乗り越えてきた「苦境」と「決断」を形に残す場所です。

              下請け脱却、BtoBシフト、大赤字からの大逆転――。

              御社の大切な転換期の記録を、ぜひここに書き残していってください。

              お送りいただいた内容は、問題解決の事例(ケーススタディ)として、当サイトで丁寧に編集してご紹介させていただく場合がございます(匿名・仮名可)。

                営業・売上拡大製造業のEC活用