なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?ECサイトを「24時間働く営業マン」に変える方法【総合】

コロナ禍をきっかけに、通販サイトやECサイトを立ち上げた製造業は少なくありません。

しかし現在、

  • ECサイトの売上が伸びない
  • 運営負担ばかり増えている
  • 現場から不満が出ている
  • 広告費だけがかかっている
  • 通販事業の今後が見えない

という悩みを抱えている企業も増えています。

実際、多くの中小製造業では、BtoC向け通販サイトが期待した成果を生まないまま「お荷物化」しているケースが少なくありません。

しかし、それは通販サイト自体が失敗だったわけではありません。

問題は、ECサイトの役割設定にあります。

この記事では、製造業の通販サイトが売れにくい理由と、ECサイトを「法人顧客を獲得する営業インフラ」へ転換する方法を解説します。

全体像を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

▶【総合記事:なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?ECサイトを「24時間働く営業マン」に変える方法】→ 今ここ

▶【第1回:製造業の通販サイトは売上を追うな。法人受注につながるサンプル販売戦略とは?

▶【第2回:製造業のサンプル販売で必須!本発注につなげる同梱チラシ実例と作り方

▶【第3回:サンプル発送後に何もしないのはもったいない!本発注率を高めるフォロー施策とは?

▶【第4回:小規模製造業が営業マン不足を解決する「営業DX」とは?通販サイトを営業資産に変える方法

なぜ製造業の通販サイトは売れないのか?

まずは、多くの製造業が通販サイト運営で苦戦する理由を整理してみましょう。

SEO競争が激化している

コロナ禍以降、多くの企業がネット販売へ参入しました。

その結果、

  • 検索順位の競争激化
  • 広告費の高騰
  • 大手企業との価格競争
  • ECモール内競争の激化

が発生しています。

以前は検索上位を獲得できていた商品でも、現在では埋もれてしまうケースが珍しくありません。

特に中小製造業の場合、大手企業のように広告費を投下し続けることが難しく、集客面で不利になりやすい傾向があります。

発送・梱包・在庫管理の負担が大きい

製造業の商品は、

  • サイズが多様
  • 重量が異なる
  • 梱包方法が特殊
  • 個別対応が必要

という特徴があります。

そのため商品数が増えるほど、

  • 在庫管理
  • 梱包作業
  • 送料設定
  • 発送業務
  • 問い合わせ対応

が複雑化します。

本業である製造業務とは別に対応する必要があるため、担当者への負担は想像以上です。

ECモールの手数料が利益を圧迫する

AmazonやYahoo!ショッピングなどのECモールでは、

  • 販売手数料
  • システム利用料
  • 広告費
  • 決済手数料

などのコストが発生します。

売上が増えても利益が思うように残らず、「忙しくなったのに利益が増えない」という状況に陥る企業も少なくありません。

本当に深刻なのは「現場との対立」

通販サイト運営で最も危険なのは、売上ではなく社内の温度差です。

製造現場からすると、「売上の少ない通販対応のために生産計画が乱される」という認識になりがちです。

一方で通販担当者は、「せっかく受注したのだから対応してほしい」と考えます。

結果として、

  • 製造現場が疲弊する
  • 通販担当者のモチベーションが下がる
  • 部門間の関係が悪化する
  • 通販事業そのものが嫌われる

という悪循環が生まれます。

実は、多くの製造業が通販サイトをやめたくなる理由は、売上不振よりもこちらの方が深刻です。

製造業のECサイトは「売上」ではなく「営業インフラ」を目指す

ここで発想を変えてみましょう。

通販サイトを「商品を売る場所」ではなく、「法人顧客を獲得するための営業インフラ」として活用するのです。

言い換えると、24時間365日働く営業マンをオンライン上に配置するという考え方です。

BtoB製造業が本当に欲しい顧客とは?

多くの製造業にとって理想なのは、単発購入の個人客ではなく、

  • 継続的な法人取引
  • 大口受注
  • OEM案件
  • 定期契約
  • 長期取引先

ではないでしょうか。

もしそうであれば、通販サイトの目的も変わります。

サンプル販売型ECサイトという考え方

おすすめなのが「サンプル販売型ECサイト」への転換です。

詳しい解説はこちらをご覧ください ≫

扱う商品を、

  • 主力商品
  • 定番商品
  • 人気商品
  • 試作品

など数点に絞ります。

そして、「まず試してみたい」という企業担当者向けに販売します。

対象となるのは、

  • 購買担当者
  • 調達担当者
  • 開発担当者
  • 総務担当者
  • 品質管理担当者

などです。

通販サイトを見込み顧客との最初の接点に変えるのです。

サンプル購入から法人受注につなげる3つの仕組み

ここが最も重要なポイントです。

詳しい解説はこちらをご覧ください ≫

①会社案内・注文書・担当者情報を同梱する

商品発送時に、

  • 会社案内
  • 法人向け注文書
  • 営業担当者の名刺
  • 連絡先一覧

を同封します。

これにより、「追加注文したい」「詳しく相談したい」と思ったタイミングで、すぐに問い合わせができるようになります。

②フォロー用紙を同梱する

例えば、「商品の状態やご不明点がございましたらお気軽にご連絡ください」という案内を同封します。

小さな工夫ですが、

  • 問い合わせ率向上
  • 顧客接点の増加
  • 信頼構築

に大きな効果があります。

③本発注時にサンプル代をキャッシュバックする

最も効果が高い施策です。

例えば、「法人発注時には今回のサンプル代金を全額値引きいたします」という案内を同封します。

企業担当者からすると、「実質無料で試せる」という認識になるため、本発注への心理的ハードルが大きく下がります。

この仕組みで得られる3つのメリット

全国から見込み顧客を獲得できる

営業担当者が訪問できない地域からも問い合わせが入るようになります。

通販サイトが24時間営業活動を続けてくれるため、営業効率も向上します。

運営負担を大幅に削減できる

商品数を絞ることで、

  • 在庫管理
  • 梱包作業
  • 発送業務
  • 送料管理

が大幅に簡素化されます。

担当者の負担も減り、運営を継続しやすくなります。

製造現場の理解を得やすくなる

扱う商品が本業の主力商品になるため、

  • 生産計画を立てやすい
  • 品質管理しやすい
  • 現場との連携が取りやすい

というメリットがあります。

通販サイトが現場の敵ではなく、営業支援ツールへ変わります。

ECサイトのKPIは「売上」ではなく「商談数」

製造業のECサイト運営で失敗する企業の多くは、EC売上だけを追っています。

しかし営業インフラとして活用する場合は、

  • サンプル販売件数
  • 法人問い合わせ件数
  • 商談数
  • 見積依頼件数
  • 本発注率
  • 契約件数

を追うべきです。

評価指標を変えるだけで、通販サイトの存在価値は大きく変わります。

詳しい解説はこちらをご覧ください ≫

まとめ|製造業の通販サイトは「売る場所」ではなく「法人顧客と出会う場所」

もし現在、

  • ECサイトの売上が伸びない
  • 運営負担が重い
  • 社内から反発が出ている
  • 通販事業の方向性に悩んでいる

のであれば、一度立ち止まって考えてみてください。

製造業にとって本当に重要なのは、「ネットで商品を売ること」ではなく、「ネットを使って法人顧客と出会うこと」かもしれません。

通販サイトをサンプル販売窓口として活用できれば、それは単なるECサイトではありません。

全国の見込み顧客を集める、24時間365日働く営業マンへと生まれ変わります。

各カテゴリの詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

▶【第1回:製造業の通販サイトは売上を追うな。法人受注につながるサンプル販売戦略とは?

▶【第2回:製造業のサンプル販売で必須!本発注につなげる同梱チラシ実例と作り方

▶【第3回:サンプル発送後に何もしないのはもったいない!本発注率を高めるフォロー施策とは?

▶【第4回:小規模製造業が営業マン不足を解決する「営業DX」とは?通販サイトを営業資産に変える方法

実際に方針転換した製造業の事例はこちら

「通販サイトの売上が伸びず悩んでいた企業が、どのような経緯で方針転換したのか」

お話を聞かせていただいた経営者ストーリーは、こちらからご覧いただけます。

▶【事例記事】飛行機一筋20年。突然インターネット通販を任された男の転機【前編】

▶【事例記事】飛行機一筋20年。突然インターネット通販を任された男の転機【後編】

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