「安くて何でもできる」をやめる。小さな会社の立ち位置の決め方

この記事を読み終わるころには…

✓ なぜ「安くて何でもできる」が価格競争を招くのかがわかる
✓ 競合と比較されない立ち位置の見つけ方がわかる
✓ 立ち位置を一言で言い切る言葉の作り方がわかる

3つの問いと4つの流れを1枚で埋める「新規開拓の設計メモ」を、記事の最後で無料配布しています。
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結論

  • 「安くて何でもできる」は、自ら比較されにいく土俵に上がる宣言になってしまう
  • 強みとターゲットが決まっていれば、競合と同じ土俵に乗らない立ち位置を選べる
  • 立ち位置は「誰の、どんな困りごとの、どの段階の相談相手か」を一言で言い切る
「安くて何でもできます」と名乗ると
同じことを言う会社が無数にいる
違いがないので、価格で比べられる
✕ 値下げ合戦から抜けられない
立ち位置を決めると
「この困りごとならこの会社」と覚えられる
比較されずに相談が来る
✓ 適正価格での取引が残る

新規顧客開拓の3つの問い|この記事の位置

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 「安くて何でもできる」が価格競争を招く理由
  • 比較されない立ち位置の見つけ方
  • 立ち位置を一言にする方法
  • 立ち位置を変えた提案の実例

前の記事で、選ばれてきた理由(強み)が言葉になりました。

ですが、強みは持っているだけでは武器になりません。

同じ強みでも、どの立ち位置で打ち出すかで、相手に届く意味がまったく変わります。

この記事では、競合と同じ土俵に乗らないための「立ち位置(ポジショニング)」を決めます。

「安くて何でもできる」は、なぜ危ないのか

受注がほしいとき、つい言いたくなるのが「何でもできます、価格も務めます」です。

一見、間口が広くて有利に見えますが、相手の目には、こう映っています。

「つまり、他の会社と同じということだね」。

同じに見える会社が並んだとき、相手に残された判断材料は価格だけです。

価格競争は、相手が仕掛けてくるものではなく、「何でもできます」と名乗った瞬間に自分から入っていく土俵です。

抜け出すには、土俵そのものを変えるしかありません。

比較されない立ち位置は、強み×ターゲットの交点にある

強み|顧客の言葉で見つけた「選ばれてきた理由」
例:図面が固まる前でも相談に乗ってくれる
×
ターゲット|1社の顔が浮かぶ理想の顧客の困りごと
例:試作段階で相談できる加工先がなくて困っている
立ち位置|「図面が固まる前から相談できる加工会社」
「安い加工屋」という土俵から、「設計段階の相談相手」という別の土俵へ

立ち位置は、ゼロから発明するものではありません。

ここまでの記事で決めた2つを掛け合わせるだけです。

ポイントは、立ち位置を「何ができるか(加工の種類)」ではなく、「誰の、どんな困りごとの、どの段階の相談相手か」で言うことです。

加工の種類で名乗れば同業と並びますが、困りごとの段階で名乗れば、並ぶ相手がいなくなります。

立ち位置を一言にする|空白を埋めるだけの型

記入例(架空の金属加工業)

県内の産業機械メーカーの開発担当者の

困りごと

「図面が固まらないと見積も相談もできない」を、

どうやって

図面が固まる前の段階から相談に乗って解決する会社

立ち位置は、次の型の空白を埋めると一言になります。

「(誰)の(どんな困りごと)を、(どうやって)解決する会社」。

埋める材料はすべて揃っています。

「誰」はターゲット設定の記事で、「どうやって」は強みの記事で決めたものです。

ここで新しく考えるのは「困りごと」の部分だけ。

しかもこれは、理想の顧客像に書いた困りごとそのものです。

ポジショニングは難しい戦略論ではなく、これまでの答えの組み合わせ作業なのです。

ここで一度立ち止まって・・・

「型はわかった。でも自社の言葉で埋められるか不安」

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完成までは、この記事の型を裏紙に書いて埋めてみるだけでも十分です。
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立ち位置を狭めたら、仕事が減るのでは?

ターゲット設定の記事と同じ不安が、ここでも出てくるはずです。

「設計段階の相談相手と名乗ったら、普通の量産案件は来なくなるのでは」。

立ち位置は看板であって、営業範囲の制限ではありません。

看板に惹かれて相談に来た顧客が、量産もまとめて任せてくれる。

これが実際に起こることです。

入口を尖らせるほど、入ってくる仕事の総量は増える。

逆に、入口を広げるほど誰も入ってこない。

この逆転が、ポジショニングの一番面白いところです。

立ち位置を変えたら、同じ提案が届くようになった経験

私自身、提案がまったく刺さらない時期がありました。

当時の提案は「こんな加工ができます、品質に自信があります」という、できることの羅列。

つまり「加工屋さん」という立ち位置のまま、同業と並んで比べられていました。

相手の困りごとから提案を組み直し、「この困りごとの相談相手」という位置に立ち直してから、同じ技術の話が初めて「うちのための提案」として受け取られるようになりました。

まとめ|土俵を選び直せば、価格競争から降りられる

立ち位置を決めない会社
「何でもできます」で同業と並ぶ
価格だけで比べられる
立ち位置を決めた会社
「この困りごとの相談相手」と名乗る
比較されない入口ができる
適正価格で選ばれ、量産案件も後からついてくる
  • 「安くて何でもできる」は、自分から価格競争の土俵に上がる宣言
  • 立ち位置は強み×ターゲットの困りごとの交点にある。新しく発明しない
  • 「誰の・どんな困りごとを・どうやって解決する会社」の型で一言にする

立ち位置が決まったら、次の問いはこうです。

「その立ち位置に合わせて、何を商品として出すか?」。

次の記事では、問い②の締めくくりとなる商品設計を扱います。

売上を仕組みで作る全体地図|この記事の現在地

STEP1|方向性を決める
STEP2|売上を増やす順番を決める
STEP3|3つの枝から売り方を決める
受注後は「既存顧客」の枝に戻り、サイト全体が一本の循環になります

この記事で手が止まったら、地図の一つ手前の記事へ戻ってみてください。そもそもどの枝に進むか迷ったら、STEP2「売上構成と優先順位」からやり直せます。

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立ち位置の型も含めて、3つの問いと4つの流れを1枚で埋められる記入メモを無料で用意しました。

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  • 3つの問いの記入欄(どこの誰に・何を・どう売るか)
  • 立ち位置の記入欄(誰の・どんな困りごとを・どうやっての型)
  • 4つの流れの設計欄(認知・収集・接触・継続を何で担うか)
  • 記入例(架空の製造業1社分)

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